タイトル
時間割コード: PB53005 日本語シラバス
特殊講義(標準化とビジネス)[Standardization and Business]
 
担当教員
江藤 学[MANABU ETO]
開講学部等 国際社会科学府 対象年次   単位数 2 使用言語 日本語
開講時期 春学期 開講曜限   クラス 特殊講義(標準化とビジネス)
特記事項  
ナンバリングコード
授業の目的  
経済のグローバル化、ビジネスの多様化の中で、一社で市場全てを押さえる独占的なビジネスは不可能となり、多くの社がそれぞれの得意分野を生かして利益を分配する、エコシステムによる利益配分システムが定着しつつある。このような中で、標準化は、自らの強みを生かし、市場を獲得する上で、ビジネス上の重要なツールとして使われている。
本講義では標準化を活用することで自らの知的財産の価値を高め、ビジネスを成功させた様々な事例を見ていく。これにより、ビジネス活動において、標準化をビジネスツールとして活用できる力を身につけ、自らの持つ強みを生かし、弱みをカバーするビジネス戦略の立案力を高める能力を獲得する。
 
授業計画
(項目説明)授業全体のスケジュールを示しています。学修計画を立てる際の参考にしてください。
 
第1回 標準化の基礎

標準化の概念・定義、目的、役割、分類、基本的な便益等について解説する。特に、身近なものについて標準が活用されていることを理解し、標準の持つ様々な側面を理解し、標準がビジネスに与える影響を考える上での基礎知識を習得する。
○世界最初の「ネジ」標準化はどんな方法だった?
○100年前からあるAKB48標準化ビジネスモデルの原型とは?
○エジソンが電気椅子の特許を獲得した理由とは?

第2回 製品規格のビジネス活用

「標準」のうち最もわかりやすい製品規格を題材に、標準化や規制がビジネスにどのような影響を与えるのかを、様々な事例を見ながら検討する。標準化が基本的には「コストダウン」、「市場拡大」、「差別化」のツールであることを理解する。
○QWERYTYキーボード配列にまつわる都市伝説。
○なぜ自転車輸出が急増しているのか?
○なぜ日本中の生コン工場がJIS規格に合わせるのか?

第3回 試験方法標準の使い方とリスク

測り方の基準である試験方法標準は、標準化の重要なグループのひとつだが、これまでビジネスとの関係を戦略的に考えられていなかった。試験方法標準とは何か、どのようなビジネス効果があるのかを整理する。さらに、試験方法標準が持つ様々なビジネス上の落とし穴を見つつ、試験方法標準のビジネスへの活用を考える。
○野菜室と冷凍室の上下関係を決めた計り方とは?
○日本のテレビ産業を凋落させた標準とは?
○大企業の中間管理職病と標準化が組み合わさると・・・

第4回 サプライチェーンと標準化

標準化の効果は、サプライチェーンの上で考える必要がある。製品標準をビジネスで活用する上では、インタフェース標準の活用と、その戦略を構築することが必須となる。川下向けと川上向けで異なるインタフェース標準戦略とはどのようなものかを学ぶ。
○DVDの標準化で儲かったのは誰だ?
○インテルにパソコンの利益が集中したのはなぜ?
○材料メーカーが考えるべき標準化戦略とは

第5回 標準化による差別化

標準化することで差別化するとはどういうことか。ここまで学んだ標準化手法を組み合わせ、製品の差別化に資する標準化戦略を考える。その基本はオープンとクローズの使い分けであり、競争のコントロールであることを学ぶ。
○QRコードに隠された秘密とは?
○初音ミクのヒットも標準化のおかげ
○自転車のシマノはなぜ世界のシマノになれたのか?

第6回 認証のビジネス活用

認証と聞くと、ISO9000を思い出す人が多いが、認証は標準化と一体にビジネスに取り込まれている。ここでは、認証ビジネスの基本的効果、利用方法、ビジネス上の対策などについて考え方を整理する。またクラス分け標準の考え方も学ぶ。
○欧州の認証機関を使え!
○ISO9000って価値があるの?
○クラス分け標準の難しさと戦略性

第7回 標準・認証によるブランド化

認証をビジネスで使う上で最も重要な使い方が、認証による製品のブランド化だ。このブランド化を行う上では、認証システムの設計が大きな役割を果たす。認証でブランド化するとはどういうことか、その手法を学ぶ。
○有機食品マークの価値とプライベートスタンダード
○今治タオルの成功、泉州タオルの失敗?
○史上最悪?の官製認証トクホ

第8回 標準化する場所と範囲・仲間作り

標準化を行う場所やその効果は様々で、これを使い分けることがビジネス上のノウハウとなっている。現代のビジネスで必須の仲間作り・エコシステム作りにおける標準化の活用方法を考える。
○SUICAはなぜ国際標準になれなかったのか?
○電気自動車充電方式の争い
○欧米と日本の仲間作りの違いとは

第9回 イノベーションと標準化

ビジネスで標準化を活用する場合、重要なことは他の知財ツールと組みあわせ、イノベーション過程全体を見渡した長期的戦略を立案・実施していくことが重要だ。イノベーションの各段階で技術をどのような形で管理すべきかを考える。
○ダーウィンの進化論と標準化
○製造方法って特許化する?標準化する?
○IPS細胞の標準化を止めたわけ

第10回 ルール作りと標準化

標準化と規制は非常に近い関係にあり、同様のビジネス効果を示すことが多いが、規制であるからこそのビジネス影響も生まれる。標準の一形態としての規制について、そのビジネス活用の重要性を学ぶ。
○世界に誇るべきWTO違反?日本の省エネ法とは?
○スポーツ電動アシスト自転車って欲しい?
○技術規制はいつ作るべきか(自動車を人間に運転させるのをいつやめる?)

第11回 この回とは限らないが、途中で一回ゲスト講師による標準化現場の経験を聴く会を設ける。
第12回目は最終レポート発表会とする。
 
授業時間外の学修内容
(項目説明)授業全体を通して授業前に予習すべき内容、授業後に復習すべき内容を示しています。単位は、授業時間前後の予習復習を含めて認定されます。
 
教科書(「標準化教本」)の関連部分を読むこと
  第1回目の講義までに、第1章を読み疑問点を整理しておくこと
  第2回目~第5回目の講義間に、第2章、第3章、第4章を読んで理解しておくこと
  第6回目の講義までに、第5章を読んでおくこと
  第8回目の講義までに、全体を一読しておくこと

講義前に配布する講義資料を見て、その中に知らない単語や情報があった場合、ネットなどで調べておく。資料中に質問形式で書かれている部分について、自らの思うところを考えておく。その回答は正解である必要はないが、論理的に導き出せる解答であることが望ましい。
講義終了後は、再度各事例についてネット等で追加情報を探してみる。
 
履修目標
(項目説明)授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標です。より高度な内容は自主的な学修で身につけることを必要としています。
 
MBAで企業のビジネス戦略を構築する力をつける一環として、自らの企業の得意とする分野において、標準化がどのような役割を果たし、ビジネスにどのような影響を与えるかを理解する。その上で、自らの企業の得意分野をどのように利益に結びつけるかを、技術戦略中心に立案し、その中で標準化を「コストダウン」、「市場拡大」、「差別化」のツールとして活用できる力を獲得する。
 
到達目標
(項目説明)授業を履修する人が最低限身につける内容を示す目標です。履修目標を達成するには、さらなる学修を必要としている段階です。
 
標準化がビジネスに与える影響や効果が、どのような仕組みで発生しているかを理解し、他の分野でそれを再現できる標準化活動を立案する。
 
成績評価の方法
(項目説明)成績評価の方法と評価の配分を示しています。
 
出席(30)、講義中の議論への貢献度(30)、課題発表の結果(40)を総合的に評価する。
 
成績評価の基準 -ルーブリック-
(項目説明)授業別ルーブリックでは評価の項目と、成績評価の基準との関係性を確認できます。(表示されない場合もあります。)
 
【成績評価の基準表】
秀(S)優(A)良(B)可(C)不可(F)
履修目標を越えたレベルを達成している履修目標を達成している履修目標と到達目標の間にあるレベルを達成している到達目標を達成している到達目標を達成できていない
履修目標:授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標
到達目標:授業において最低限学生が身につける内容を示す目標
【授業別ルーブリック】
評価項目評価基準
期待している以上である十分に満足できる(履修目標)やや努力を要する努力を要する(到達目標)相当の努力を要する
標準化とは何かを理解する目的に応じてタイプの異なる標準化を使い分けることができるタイプの異なる標準化が組み合わさる場合のビジネス影響を理解する。標準化のタイプによってビジネスへの影響が異なることを理解する。標準化のビジネスへの影響を理解する標準化がビジネスに影響を与えることを知る
標準化の利用でビジネスがどう変化するか予測する標準化がサプライチェーンに与える影響の変化を予測できる標準化がサプライチェーン全体に与える影響を予測できる標準化が市場全体に与える影響を予測できる標準化がライバル企業に与える影響を予測できる標準化が自らの組織に与える影響を予測できる
自らの企業の強みが高く売れる戦略を作る自らの企業の活動によって敵と味方の利益構造がどう変化するかを説明できる。自らの企業の持つ強みによって、相手がどのような利益を得られるかを説明できる。自らの企業が取引先にどのような影響を与えるかを説明できる自らの企業の何がよいかを説明できる自らの企業のよい場所を指摘できる
ビジネス戦略に標準化を組み込む標準化活動を効果的に組み込んだビジネス戦略が立案できるビジネス戦略における標準化活動の果たす役割を説明できる標準化活動に必要な資源を整理できる標準化活動を自ら行える標準化活動の基本を理解している
 
授業の方法
(項目説明)教員が授業をどのように進めるのか、課題提出などの情報もあわせて示しています。
 
原則としてパワーポイントのスライドで講義を行う。講義中に学生に対して発言を求める。最終レポートは、各人が技術矢サービスを自由に選択し、標準化戦略(技術戦略)を立案する。
 
教科書  
教科書1 ISBN 9784542307049
書名 標準化教本 : 世界をつなげる標準化の知識
著者名 江藤学 編集委員長, 出版社 日本規格協会 出版年 2016
 
参考書  
参考書1 ISBN 9784561245285
書名 標準化ビジネス
著者名 藤野仁三, 江藤学 編著, 出版社 白桃書房 出版年 2009
参考書2 ISBN 9784532314095
書名 コンセンサス標準戦略 : 事業活用のすべて
著者名 新宅純二郎, 江藤学 編著, 出版社 日本経済新聞出版社 出版年 2008
 
キーワード  
標準(standard),知的財産(intellectual property), 技術管理(Management of Technology), 戦略(strategy)
 
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