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新学習指導要領では,言語能力や情報活用能力,問題発見・解決能力等学習の基盤となる資質・能力の育成のために教科等横断的な学習を充実することが求められている.特に,高等学校では,国語が歴史の中で創造・継承されるとともに,現代においても実社会・実生活の中で使われていることを踏まえた学習活動が求められている. この授業では,文学をテクストとして捉えることを切り口に,2つのアプローチで,総合的・教科横断的な学習のための教材研究・教材分析の方法およびその実践のありかたについて学習する. 1つ目のアプローチは,地域資源としての「文学館」を活用した教材開発について考えることである。文学館において展示される「知識」「情報」としての文学は、国語科において文学的文章教材として扱われる文学とは異なり、他教科とにまたがる複合的な要素をもっている。これら「文学館」において展示される文学をもとに教材開発を行うことで、文学テクストに内在する多様な視点(歴史学・地理学・社会学など)を可視化しつつ、教材開発のための新たな視点を見出したい。 2つ目のアプローチは、誰もが自由に利用できるオンライン百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」を活用した教材開発である。「Wikipedia」は現在、何かを調べたいと思ったときに手軽に活用できる資源として幅広く用いられる一方で、その情報がいかに創り出されているのかといった点についてはあまり知られていない現状がある。しかしながら、児童生徒自身が探求する学習を構想しようとするとき、「Wikipedia」の利用についていかに指導するのかという問題を考えることは欠かすことができない。そこで本授業では、「Wikipedia」における情報としての文学について考えることを入口にしながら、情報リテラシー教育としての教材開発について考える。これら2つのアプローチから、文学・テクストを考える機会を提供することで、受講生が、国語科における探求学習のための教材開発・教材研究のための資質を身に付けられるようにすることが本授業のねらいである。
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1. ガイダンス/文学・テクストの視点から地域資源を活用した横断的・総合的な学習について考える 2. 地域資源を活用した教材開発1:文学館とは何か 3. 地域資源を活用した教材開発2:文学館について考える 4. 地域資源を活用した教材開発3:神奈川近代文学館の活動と実践を知る 5. 地域資源を活用した教材開発4:日本近代文学館、小田原文学館など他の文学館の活動と実践を知る 6. 地域資源を活用した教材開発5:近隣の文学館を訪ねてみる 7. Wikipediaと文学・テクスト1:Wikipediaとは何か 8. Wikipediaと文学・テクスト2:Wikpediaにおける文学記事をチェック 9. Wikipediaと文学・テクスト3:Wikipediaブンガク〜文学館を活用した試み 10. 文学館訪問レポート1:受講生が訪問した近隣の文学館についての報告1(近代文学館) 11. 文学館訪問レポート2:受講生が訪問した近隣の文学館についての報告2(その他) 12〜13.神奈川近代文学館フィールドワークの実施 14〜15.文学館の企画を提示する
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第2回~第5回 授業内で提示する参考資料のほか、自分自身でも日本全国の文学館棟についてリサーチし情報を集めて読み込んでおくこと。 第12~第13回 神奈川近代文学館フィールドワークを踏まえ、中学・高校で行う授業実践を考案し、自分なりの提案をまとめておくこと。 第14~第15回 教材制作に向けた情報等の収集、教材制作に向けた準備などを各自で進めておくこと。
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(現職教員学生):教科等横断的な学習によって育成すべき資質・能力についての理解と、教科横断的な視点による文学教材の高度な分析に基づき、地域や自校の実態、子どもの発達を考慮した独創的・創造的な授業・カリキュラムを考案することができる。
(学部新卒学生):教科等横断的な学習によって育成すべき資質・能力についての理解と、教科横断的な視点から文学教材の高度な分析に基づき、地域や自校の実態、子どもの発達を考慮した独創的・創造的な授業・カリキュラムのありかたについて説明できる。
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(現職教員学生):教科等横断的な学習によって育成すべき資質・能力についての理解を踏まえ、教科横断的な視点から文学教材の分析を行うことによって、地域や自校の実態、子どもの発達を考慮した特色ある授業・カリキュラムを考案することができる。
(学部新卒学生):教科等横断的な学習によって育成すべき資質・能力についての理解を踏まえ、教科横断的な視点から文学教材の分析を行うことによって、地域や自校の実態、子どもの発達を考慮した特色ある授業・カリキュラムのありかたについて説明できる。
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eポートフォリオに投稿されたコメントをもとに、以下の視点から評価を行う。Ⅱ(6)「教材開発」(20%)、Ⅱ(9)横断的・総合的な学習」(30%)、Ⅱ(11)「教科等の専門的知識」(50%)
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【成績評価の基準表】
秀(S) | 優(A) | 良(B) | 可(C) | 不可(F) |
履修目標を越えたレベルを達成している | 履修目標を達成している | 履修目標と到達目標の間にあるレベルを達成している | 到達目標を達成している | 到達目標を達成できていない |
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履修目標:授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標
到達目標:授業において最低限学生が身につける内容を示す目標
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【授業別ルーブリック】
評価項目 | 評価基準 |
期待している以上である | 十分に満足できる(履修目標) | やや努力を要する | 努力を要する(到達目標) | 相当の努力を要する |
Ⅱ(6)教材開発 | 十分な理解のもと、他人に適切な助言ができる。 | 到達目標を超えて十分な理解をしている。 | 到達目標は達し、優れた点も見られる。 | 到達目標に達している。 | 到達目標に達していない。 |
Ⅱ(9) 横断的・総合的な学習 | 十分な理解のもと、他人に適切な助言ができる。 | 到達目標を超えて十分な理解をしている。 | 到達目標は達し、優れた点も見られる。 | 到達目標に達している。 | 到達目標に達していない。 |
Ⅱ(10)教育の情報化 | 十分な理解のもと、他人に適切な助言ができる。 | 到達目標を超えて十分な理解をしている。 | 到達目標は達し、優れた点も見られる。 | 到達目標に達している。 | 到達目標に達していない。 |
Ⅱ(11)教科等の専門知識 | 十分な理解のもと、他人に適切な助言ができる。 | 到達目標を超えて十分な理解をしている。 | 到達目標は達し、優れた点も見られる。 | 到達目標に達している。 | 到達目標に達していない。 |
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演習形式・実習形式を組み合わせて行う。第2〜6回および第12〜15回は、地域資源としての文学館を教材として活用した授業実践の提案を行うため、文学館へのフィールドワーク(実習)とそれに基づく授業の構想・提案(演習)を行う。 第7回〜第11回降は、12月下旬(冬季休業中を予定)を用い、1日をかけて集中授業の形式で行う予定である。ゲスト講師を招聘し、「Wikipediaとは何か」についてのレクチャーのあと、実際に「Wikipedia」を編集する活動を行う(実習)。
なお本授業は集中講義として実施するにあたり、オリエンテーションを実施する。オリエンテーションの日程等については「授業支援システム」を通じて配信するため、受講希望者は「授業支援システム」に登録しておくこと。
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文学館(Literature Museum), 実地踏査(Field Work), メディアリテラシー(media literacy)
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「初等教科教育法(国語)」を主に担当しています。専門は、国語教育・読書教育・リテラシー教育です。
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