タイトル
時間割コード:VB01007 日本語シラバス 英語
経営史研究[Advanced Business History]
 
担当教員
青木 洋[AOKI HIROSHI]
開講学部等 国際社会科学府 対象年次 1〜3 単位数 2 使用言語 日本語
開講時期 秋学期 開講曜限   クラス 経営史研究
授業形態 授業形態(詳細) 授業方法
特記事項  
ナンバリングコード 実務経験のある教員による授業
授業の目的  
欧米・日本の産業・企業の歴史について学ぶことで、動態的な視点から企業経営を把握する力を身につける。
 
授業計画
(項目説明)授業全体のスケジュールを示しています。学修計画を立てる際の参考にしてください。
 
1.授業概要
 経営を歴史の観点から学ぶ意義、歴史の楽しさ・大切さを体験し、この授業の進め方を説明する。
2.イギリスの産業発展:後進国からのキャッチアップ
 イギリスの発展過程を後進国からのキャッチアップと捉え、後進国が発展する要因を大塚久雄、アダム・スミスの学説などを紹介しながら考える。
3.イギリスの産業発展:産業革命、工場経営と管理
 イギリスの産業革命を典型的なイノベーションの過程と捉え、イノベーションのメカニズムを考える。産業革命期イギリス企業が実現した「規模の経済」のメカニズムと経営・管理の実態を理解し、現代企業との差異を考える。
4.イギリスの産業発展:生産と流通のシステム、産業衰退
 19世紀イギリスの生産と流通システムの実態を説明し、その特徴が現代の経済とどのように違い、どこが同じであるのかを、歴史と現在を交差して考える。イギリスの産業衰退の要因を、これまで紹介した理論・学説を交えながら説明する。
5.アメリカの産業発展:近代企業の勃興、アメリカン・システム
 アメリカの初期の発展過程を、マックス・ウェーバーの学説を紹介しながら考え、同時に経済学・経営学の基本的な考え方を理解する。「モノづくり」の世界とアメリカの大量生産システムの特徴を考える。
6.アメリカの産業発展:技術革新と垂直統合企業の形成
 アメリカ企業の特徴である垂直統合企業の生成の背景とその特徴、個人・家族から組織へ変化するアメリカ社会の姿を、チャンドラーやドラッカーの学説を紹介しながら考える。
7.アメリカの産業発展:経営管理組織・管理手法の発達
 アメリカで誕生した巨大企業の経営管理組織、管理手法の特徴を、テイラーとドラッカーの学説を紹介しながら考え、さらに現代の企業経営のあるべき姿を考える。
8.日本の産業発展:江戸の市場経済と商家経営
 江戸の市場経済と商家経営の特徴を理解し、江戸時代が日本の発展に果たした役割、前近代のビジネスと近代のビジネスの違いなどを考える。
9.日本の産業発展:明治の産業とビジネス
 明治の産業とビジネスの特徴を理解し、現代の産業構造との違い、国や企業の発展にとって大切な要素は何かなどを考える。
10.日本の産業発展:重化学工業と都市化の進展
 大正から昭和にかけての産業発展について、愛知県東部・静岡県西部地方、財閥、都市型産業(電鉄経営)などを事例に、発展が可能になった要因を考える。
11.日本の産業発展:戦中・戦後の制度変化
 第二次大戦中・戦後の激しい制度変化の概要を理解し、戦中・戦後の経験が、その後の日本の発展にどのような役割を果たしたかを考える。
12.日本の産業発展:戦後日本の企業システム
 戦後の企業集団・企業系列、日本的経営について理解し、日本的経営のメリット・デメリットについて考える。
13.日本の革新的企業の事例
 戦後の生産・流通・サービス分野の革新的企業の事例を紹介し、それらの企業の成長要因を考える。
14.まとめ:国の競争優位
 ポーターのダイヤモンド理論を紹介し、 これまで授業で取り上げた欧米・日本の産業の発展要因を、同理論を用いて考える。
15.まとめ:国の発展段階
 ポーターの国の発展段階理論を紹介し、 これまで授業で取り上げた欧米・日本の産業の発展要因を、同理論を用いて考える。
 
授業時間外の学修内容
(項目説明)授業全体を通して授業前に予習すべき内容、授業後に復習すべき内容を示しています。単位は、授業時間前後の予習復習を含めて認定されます。
 
・毎回、授業終了後に、その回の授業で学んだ内容についてインターネットや図書館などで調べ、ノートにまとめること。
 
履修目標
(項目説明)授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標です。より高度な内容は自主的な学修で身につけることを必要としています。
 
・日欧米の産業・企業の歴史を的確に説明することができる。
・現実の産業・企業の発展を、静態的でなく、動態的に理解し、的確に分析することができる。
・討論を通じて、問題を論理的に考え、創造的な結論に導くことができる。
・討論を通じて、自分の考えを他者に的確に伝えることができる。
 
到達目標
(項目説明)授業を履修する人が最低限身につける内容を示す目標です。履修目標を達成するには、さらなる学修を必要としている段階です。
 
・日欧米の産業・企業の歴史を説明することができる。
・現実の産業・企業の発展を、静態的でなく、動態的に理解し、分析することができる。
・討論を通じて、問題を論理的に考え、結論に導くことができる。
・討論を通じて、自分の考えを他者に伝えることができる。
 
成績評価の方法
(項目説明)成績評価の方法と評価の配分を示しています。
 
受講状態により判断する。
 
成績評価の基準 -ルーブリック-
(項目説明)授業別ルーブリックでは評価の項目と、成績評価の基準との関係性を確認できます。(表示されない場合もあります。)
 
【成績評価の基準表】
秀(S)優(A)良(B)可(C)不可(F)
履修目標を越えたレベルを達成している履修目標を達成している履修目標と到達目標の間にあるレベルを達成している到達目標を達成している到達目標を達成できていない
履修目標:授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標
到達目標:授業において最低限学生が身につける内容を示す目標
 
授業の方法
(項目説明)教員が授業をどのように進めるのか、課題提出などの情報もあわせて示しています。
 
修登録をすること。
2.教材は授業支援システムにアップロードしたプリントとスライドを使用する。受講者は授業までに、授業支援システムで資料をダウンロードすること。
3.講義はディスカッション形式で行う。
 
教科書補足  
教科書は使用しない。授業支援システムにプリントや資料をアップロードするので、授業前にダウンロードすること。
 
参考書  
参考書1 ISBN 9784130421096
書名 経営史講義
著者名 大河内暁男 著, 出版社 東京大学出版会 出版年 2001
参考書2 ISBN 9784641163003
書名 日本経営史 : 江戸時代から21世紀へ
著者名 宮本又郎, 阿部武司, 宇田川勝, 沢井実, 橘川武郎 著, 出版社 有斐閣 出版年 2007
 
キーワード  
ビジネス(business),歴史(history),経営(management),イノベーション(innovation),クラスター(cluster)
 
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