タイトル
時間割コード:VB03005 日本語シラバス 英語
経営財務研究[Manegerial Finace]
 
担当教員
森田 洋[MORITA HIROSHI]
開講学部等 国際社会科学府 対象年次   単位数 2 使用言語  
開講時期 秋学期 開講曜限   クラス 経営財務研究
授業形態 授業形態(詳細) 授業方法
特記事項  
ナンバリングコード 実務経験のある教員による授業
授業の目的  
債券運用担当者,財務担当者いずれの立場にとっても重要と考えられる債券・金利に関するトピックについて期間構造モデルを軸に学ぶ。より具体的には債券や金利派生商品のプライシングや金利リスクの管理に関し実践上重要なトピックをとりあげ,それに対して期間構造モデルの理論からはどのような答えが出されているか,またそれが実際のマーケットでどの程度有効であり,どの程度限界を呈しているかといったことについて理解を深めることを目的とする。
 
授業計画
(項目説明)授業全体のスケジュールを示しています。学修計画を立てる際の参考にしてください。
 
1.期間構造の決定要因 金利予想,リスクプレミアム,コンベクシティといった要素で期間構造が決定されることを2項モデルを用いて説明します。
2.無リスク裁定機会と危険中立確率 債券市場を対象に無リスク裁定機会が存在しないときに危険中立確率が存在することを2項モデルを用いて説明します。
3.リスクの市場価格と危険中立確率および危険中立プロセス 前回と同じ枠組みで無リスク裁定機会が存在しないときにリスクの市場価格が存在することを説明します。
4.観測される期間構造と整合的な金利派生商品評価:HJMアプローチ 金利派生商品の価格を決定するのに有用とされているHJMアプローチをそれまでの従来のアプローチと比較しながら説明します。
5.マクロ経済的観点から見た期間構造の決定要因1 市場均衡モデルを用いて金利がどのように決定されるのかを説明します。
6.マクロ経済的観点から見た期間構造の決定要因2 市場均衡モデルを用いて期間構造がどのように決定されるのかを説明します。
7.フォワード確率(測度変換),およびその金利派生商品(キャップ,フロア等)評価における意義 金利派生商品を評価する際に利用されるフォワード確率について説明します。
8.中間試験 前回までの2項モデルを用いた議論に関する理解の程度を中間試験にて調べます。
9.連続時間モデルイントロダクション:ショートレート,瞬間的フォワードレートの定義等 2項モデルがどのようにして連続時間モデルに拡張されていくかを説明します。
10.連続時間期間構造モデル入門:Ho-Leeモデル,Vasicekモデル 連続時間モデルにおける期間構造モデルの代表的なものであるHo-LeeモデルとVasicekモデルについて説明します。
11.デュレーションと期間構造モデル 債券運用において基礎となるデュレーションが連続時間モデルではいかなるときに有効かを議論します。
12.期待仮説,期待パズルと期間構造モデル 期間構造の分析において重要な位置を占めてきた期待仮説とそれに関する議論を紹介します。
13.イールドカーブリスク(水準,勾配,曲率の変動リスク)と期間構造モデル 2ファクターモデルを用いて期間構造のリスクをどのように説明するかを議論します。
14.経済成長率やインフレ率等マクロ変数と期間構造モデル 市場均衡モデルを用いて期間構造がどのように決まるのかを連続時間モデルの枠組みで説明します。
15.最新のトピックを紹介します。
16.期末試験 中間試験より後の回を試験範囲として期末試験を行います。
 
授業時間外の学修内容
(項目説明)授業全体を通して授業前に予習すべき内容、授業後に復習すべき内容を示しています。単位は、授業時間前後の予習復習を含めて認定されます。
 
予習としては参考書を含め関連する文献を利用して次回の講義に関する部分の理解の準備をすることが要求される。
復習としては配布された資料に目を通して次回に備えて理解を十分にしておくこと、ミニテストがあった場合にはやり直すなどにより理解を深めておくことが要求される。
 
履修目標
(項目説明)授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標です。より高度な内容は自主的な学修で身につけることを必要としています。
 
・債券価格の決定に際して無裁定条件がどのように利用されるのかを論理的に説明できるようになる。
・債券価格の決定に際して市場均衡理論がどのように利用されるのかを論理的に説明できるようになる。
・債券価格理論を利用して債券に関わる主要な論点を論理的に議論できるようになる。
 
到達目標
(項目説明)授業を履修する人が最低限身につける内容を示す目標です。履修目標を達成するには、さらなる学修を必要としている段階です。
 
・債券価格の決定に際して無裁定条件がどのように利用されるのかを説明できるようになる。
・債券価格の決定に際して市場均衡理論がどのように利用されるのかを説明できるようになる。
・債券価格理論を利用して債券に関わる主要な論点を議論できるようになる。
 
成績評価の方法
(項目説明)成績評価の方法と評価の配分を示しています。
 
中間試験50%、期末試験50%
 
成績評価の基準 -ルーブリック-
(項目説明)授業別ルーブリックでは評価の項目と、成績評価の基準との関係性を確認できます。(表示されない場合もあります。)
 
【成績評価の基準表】
秀(S)優(A)良(B)可(C)不可(F)
履修目標を越えたレベルを達成している履修目標を達成している履修目標と到達目標の間にあるレベルを達成している到達目標を達成している到達目標を達成できていない
履修目標:授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標
到達目標:授業において最低限学生が身につける内容を示す目標
【授業別ルーブリック】
評価項目評価基準
期待している以上である十分に満足できる(履修目標)やや努力を要する努力を要する(到達目標)相当の努力を要する
裁定価格理論と債券価格債券価格の決定に際して無裁定条件がどのように利用されるのかを論理的かつ厳密に説明できるようになる。債券価格の決定に際して無裁定条件がどのように利用されるのかを論理的に説明できるようになる。債券価格の決定に際して無裁定条件がどのように利用されるのかをある程度論理的に説明できるようになる。債券価格の決定に際して無裁定条件がどのように利用されるのかを説明できるようになる。債券価格の決定に際して無裁定条件がどのように利用されるのかを説明できない。
市場均衡理論と債券価格債券価格の決定に際して市場均衡理論がどのように利用されるのかを論理的かつ厳密に説明できるようになる。債券価格の決定に際して市場均衡理論がどのように利用されるのかを論理的に説明できるようになる。債券価格の決定に際して市場均衡理論がどのように利用されるのかをある程度論理的に説明できるようになる。債券価格の決定に際して市場均衡理論がどのように利用されるのかを説明できるようになる。債券価格の決定に際して市場均衡理論がどのように利用されるのかを説明できない。
債券に関わる主要な論点の議論債券価格理論を利用して債券に関わる主要な論点を論理的かつ厳密に議論できるようになる。債券価格理論を利用して債券に関わる主要な論点を論理的に議論できるようになる。債券価格理論を利用して債券に関わる主要な論点をある程度論理的に議論できるようになる。債券価格理論を利用して債券に関わる主要な論点を議論できるようになる。債券価格理論を利用して債券に関わる主要な論点を議論できない。
 
授業の方法
(項目説明)教員が授業をどのように進めるのか、課題提出などの情報もあわせて示しています。
 
・毎回オンラインにて講義を行う。Web会議用ソフトウェアZoomで行うが、そのmeeting ID等は授業支援システム(LMS)にてアナウンスする。

・ハンドアウトはLMSにて配布し、授業ではそれを元に講義を行う。
 
教科書  
教科書1 ISBN
書名
著者名 出版社 出版年
 
教科書補足  
毎回配布する資料が教科書の代替物となります 。
 
参考書  
参考書1 ISBN 9784492711828
書名 債券分析の理論と実践
著者名 ブルース・タックマン 著,四塚利樹, 森田洋 訳, 出版社 東洋経済新報社 出版年 2010
 
キーワード  
期間構造、無裁定条件、市場均衡
 
教員からの一言  
開講責任者(の一人)、専任教員森田より(一部の授業では講義におけるメインスピーカーが異なりますのでご注意ください):私の好きな言葉は「never too late to learn」です。受講する多くの方はとてもお若いと思いますが、それでも以前に学んだことを学び直したり、より若いときに学ぶべきとされていることを今になって初めて学んだりすることはとても大切だと思っております。大学では心躍る新しい学びとともに、学び直しや”遅すぎる”学びも楽しみながら人生を豊かにしてください。
 
↑ ページの先頭へ戻る