|
|
|
|
|
|
気候変動や人権問題を始め、ジェンダーギャップやフードロス問題、高齢化社会や地域活性化への対応等、社会問題は複雑かつ多様化しています。市場のグローバル化が進み、企業が社会に与える影響は、国境を越えてグローバルレベルまで拡大していることから、社会の中に存在する企業に期待される役割や責任も、変化の過程にあります。特に、2015年に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を達成するにあたり、企業の役割に大きな期待が寄せられていることから、企業がサステナビリティ要素を経営戦略に盛り込み、社会課題を解決しながら、持続可能な企業体質を構築していくことの重要性が高まっています。 この講義の目的は、企業のサステナビリティ戦略の基本的な構造について、ケーススタディを通じて学ぶことです。企業のサステナビリティ戦略について、理論と実践の両面から学ぶことで、将来に渡りグローバル社会で活躍する上で必要とされる視点を獲得する事を目指します。
|
|
|
1:ガイダンス 授業概要の説明を行い、「企業がSDGs活動を展開するために必要な要素」をテーマに、簡単なグループワークを実施します。 2:グループワーク&プレゼンテーションⅠ 企業のサステナビリティ経営をテーマにグループワーク&プレゼンテーションを行います。 3:グループワーク&プレゼンテーションⅡ 企業のサステナビリティ経営をテーマにグループワーク&プレゼンテーションを行います。 4:企業経営とサステナビリティ(第Ⅰ部・第2章) SDGsとは何か、サステナビリティとは何かを説明し、受講生との議論を通じて概略を明らかにします。また、SDGsとビジネスの関係性について、具体的な事例も取り上げて説明します。 5:企業経営とSDGs(第Ⅰ部・第6章) 1945年に国際連合憲章が起草・署名され国際連合が設立されて以降、2015年開催の国連サミットにおけるSDGs採択までの系譜について、概要を説明します。また、企業が環境・社会課題に取り組む理由について、具体的な事例も取り上げて説明します。 6: パーパス経営の展開(第Ⅱ部・第1章) パーパス経営が注目される背景や、パーパス経営の定義について、説明します。また、パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー、戦略や戦術との違いについて整理し、説明を行います。さらに、企業のパーパス経営の取り組み例を取り上げ、説明します。 7: CSR・CSV(第Ⅰ部・第4章) 企業と社会の関係性、CSR(Corporate Social Responsibility)、CSV(Creating Shared Value)、CSRとCSVの違いについて説明します。また、CSRの具体的な事例を取り上げて説明します。 8: 持続可能性を高める「守りと攻めのCSR/CSV」(第Ⅱ部・第4章) 守りのCSRと攻めのCSRについて、Porter等(2006、2011)の文献も整理しながら、その内容や両者の違いを説明します。また、CSVの具体的な事例を取り上げて説明します。 9: 米国の経営倫理(第Ⅲ部・第1章) 米国におけるビジネス環境の変化、エンロン事件を始めとするサステナビリティ課題の変遷について、概要を説明します。また、フリードマンの株主価値最大化理論と、フリーマンのステークホルダー理論について、その内容と両者の相違を整理します。ステークホルダー資本主義で提唱されている内容についても、概要の整理を行います。 10: 英国の経営倫理(第Ⅲ部・第2章) 英国におけるビジネス環境の変化、及び、サステナビリティ課題の変遷について、概要を説明します。また、EUにおけるCSR/サステナビリティ政策の変遷についても整理し、説明します。 11:経営倫理とコーポレートガバナンス・コンプライアンス(第Ⅰ部・第7章、第9章) コーポレートガバナンスの定義と歴史、日本におけるコーポレートガバナンスの変遷、そして、コンプライアンスの定義と重要性、法務・コンプライアンスの関係について、概要を説明します。また、従業員へコンプライアンスを遵守させる仕組みや、企業のコーポレートガバナンスの取り組み例を取り上げ、説明します。 12: 企業経営とダイバーシティ(第Ⅰ部・第8章) ダイバーシティ・マネジメントの歴史と目的について、概要を説明します。また、企業のダイバーシティ・マネジメントの先進的な取り組み例を取り上げ、説明します。 13: NPOの役割と企業経営(第Ⅱ部・第11章) NPOが登場するまでの経緯や役割について、概要を説明します。また、NPOと企業の関係性について説明し、具体的なNPOと企業の取り組み例を取り上げ、説明します。 14: 企業経営とカーボンニュートラル(第Ⅰ部・第3章) 地球温暖化問題を始めとする環境問題や、IPCCとCOPの役割、カーボンニュートラルの起源やTCFDについて整理し、概要を説明します。また、企業の環境経営の取り組み例を取り上げ、説明します。 15: ESG投資の現状と論点(第Ⅲ部・第7章) ESG投資の現状や種類、PRI(責任投資原則)の概要について、説明します。また、ESG格付けや、非財務情報、ESG情報開示について整理し、説明します。
|
|
|
事前に教科書の各章に関する実務の動向を調査し、授業当日に説明できるようにしておく。復習としては該当部分の教科書を読み直すこと。また、課題を与えて小レポートの提出を求めることがあり、そこでは実際のケースを紹介することが求められます。 授業で配布するプリント等がある場合にはそれらに目を通し、分からないところや疑問点を整理して、質問を用意してください。
|
|
|
本講義の目標としては、企業のサステナビリティ戦略の基本的な構造について、ケーススタディを通じて学ぶことで、グローバル社会で活躍するにあたり必要とされる視点を獲得することを目指します。 1.SDGsやグローバルコンパクト、TCFD等、グローバル共通の枠組みについて理解し、他者に説明することができる。 2.環境問題や人権問題等、グローバル社会を取り巻く問題や、少子高齢化・過疎化問題等、日本における社会課題について理解し、他者に説明することができる。 3.企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility :CSR)の変遷や、共有価値の創造(Creating Shared Value:CSV)について理解し、他者に説明することができる。 4.企業のサステナビリティ戦略を分析して、その分析結果とそれに基づく考察を他者に説明することができる。
|
|
|
1.SDGsやグローバルコンパクト、TCFD等、グローバル共通の枠組みについて理解できる。 2.環境問題や人権問題等、グローバル社会を取り巻く問題や、少子高齢化・過疎化問題等、日本における社会課題について理解できる。 3.企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility :CSR)の変遷や、共有価値の創造(Creating Shared Value:CSV)について理解できる。 4.企業のサステナビリティ戦略について理解することができる。
|
|
|
プレゼンテーション(30%)、議論へ積極的に参加する姿勢&小レポートの提出(30%)、および最終レポート(40%)として、総合的に評価します。
|
|
|
【成績評価の基準表】
秀(S) | 優(A) | 良(B) | 可(C) | 不可(F) |
履修目標を越えたレベルを達成している | 履修目標を達成している | 履修目標と到達目標の間にあるレベルを達成している | 到達目標を達成している | 到達目標を達成できていない |
|
履修目標:授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標
到達目標:授業において最低限学生が身につける内容を示す目標
|
|
【授業別ルーブリック】
評価項目 | 評価基準 |
期待している以上である | 十分に満足できる(履修目標) | やや努力を要する | 努力を要する(到達目標) | 相当の努力を要する |
知識・理解度 | 授業内容を超えた自主的な学修が認められる。 | 履修目標に達していることが認められる。 | 到達目標は概ね達成しているが、授業内容への理解に一部不足がある。 | 到達目標に達していることが認められる。 | 到達目標に達していない。 |
論理性 | 主張したい事柄に対する根拠をデータや先行研究で明記し、理由に極めて十分な説得力がある。 | 主張したい事柄に対する根拠をデータや先行研究で明記し、理由に説得力がある。 | 主張したい事柄に対する根拠をデータや先行研究で明記しているが、一部説得力に欠ける点がある。 | 主張したい事柄に対する根拠をデータや先行研究で明記しているが、論理に飛躍があるため十分な説得力をもたない。 | 理由を述べない形で主張が展開されている。 |
プレゼンテーションスキル | 主張や論点を明確にテーマに沿う形で提示しており、伝えたい内容の要点を過不足なくまとめている。 | 主張や論点を
明確にテーマに沿う形で十分に提示しており、伝えたい内容の要点をまとめている。
| 主張や論点を明確にテーマに沿う形で提示しているが、伝えたい内容に一部不鮮明な点がある。 | 主張や論点とテーマとの関連が認められるが、明確でない形で提示している。 | テーマに沿わない形で主張や論点を提示している。プレゼンテーションの内容が
伝わりづらい。
|
|
|
|
教科書の担当箇所を割り当てて輪読する形態をとる。発表担当の受講生は、当該担当箇所の解説のみならず最新状況を取り入れるとともに、必ず具体的な事例を取り上げ、当該事例の紹介・分析を行い、それに基づいて議論する形で授業を進める。発表担当者以外の受講生は、教科書を読むことはもちろん、当該テーマについての情報を集めた上で授業に臨むこと。また、授業後に、小レポートの提出を求めることがある。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
9784623052486
|
|
企業と社会 : 企業戦略・公共政策・倫理
|
|
Post, James E,Lawrence, Anne T,Weber, James,松野, 弘, 1947-,小阪, 隆秀, 1948-,谷本, 寛治, 1955-,J.E. ポスト, A.T. ローレンス, J. ウェーバー 著,松野弘, 小阪隆秀
|
|
ミネルヴァ書房
|
|
2012.3
|
|
|
|
|
|
9784152097446
|
|
3つのゼロの世界 : 貧困0・失業0・CO2排出0の新たな経済
|
|
Yunus, Muhammad, 1940-,Weber, Karl, 1953-,山田, 文,ムハマド・ユヌス 著,カール・ウェーバー [著],山田文 訳
|
|
早川書房
|
|
2018.2
|
|
|
|
|
|
|
|
|
サステナビリティ(Sustainability), CSR (Corporate Social Responsibility), CSV (Creating Shared Value), ステークホルダー(Stakeholder),ソーシャルビジネス(Social Business), SDGs (Sustainability Development Goals), ESG (Environment, Social, Governance), 企業と社会(Corporate and society)。
|
|
|
|
|
|
|
|
不明な点があれば、下記内容に従い、問い合わせを行ってください。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|