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近年の都市研究の重要なトピックにジェントリフィケーションという現象がある。ジェントリフィケーションは「低所得者の居住地域が再開発されることで富裕層が流入し、低所得者が立ち退きを余儀なくされる事態」として一般的には理解され、近年は国際的な比較研究が進んでいる。 授業では第一に、ジェントリフィケーションという現象の定義についての議論をおさえ、定義が揺らいできているということを理解する。第二に、ジェントリフィケーションがどのように起きるのかということについて、開発側からの視点の説明と、消費者側からの視点の説明の両方について概観する。第三に、近年の新しいジェントリフィケーション論の動向として、居住者の立ち退きではなく商業者の立ち退きなどを引き起こす商業ジェントリフィケーション論をおさえる。第四に、ジェントリフィケーション論の「空白」とされる「抵抗」についての議論を紹介し、検討する。
*今年度は報告書を作成する予定はありません
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第1回 イントロダクション+説明
<ジェントリフィケーションの定義> 第2回 ニール・スミス, 1996=2014,『ジェントリフィケーションと報復都市』「第2章 ジェントリフィケーションはダーティワードか?」 第3回 Ruth Glass, 1964, “London: Aspects of Change” (+Introduction) 第4回 Neil Smith and Peter Williams, 1986,”Alternatives to Orthodoxy: Invitation to a debate” 第5回 Eric Clark, 2005, “The order and simplicity of Gentrification ? a political challenge”
<ジェントリフィケーションの説明(Production-side Explanation)> 第6回 ニール・スミス, 1996=2014,『ジェントリフィケーションと報復都市』「第3章 ローカルな議論――『消費者主権』から地代格差へ」 第7回 Steven C.Bourassa, 1993, “The rent gap debunked”
<ジェントリフィケーションの説明(Consumption-side Explanation)> 第8回 David Ley,1994, “Gentrification and the politics of the new middle class” 第9回 Jon Caulfield,1989,” ‘Gentrification’ and Desire”
<商業的ジェントリフィケーション> 第10回 Sharon Zukin, 1987, “Gentrification: Culture and Capital in the urban core” 第11回 Sharon Zukin et.al eds., 2016,”Spaces of everyday diversity” 第12回 Keiro Hattori et.al., 2016, “Tokyo’s “Living” shopping streets: the paradox of globalized authenticity
<ジェントリフィケーションにおける抵抗> 第13回 Chester Hartman, 1984, “the right to stay put” 第14回 Rinpei Miura, 2020, “Rethinking gentrification and the right to the city” 第15回 まとめ
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・授業で予習箇所として毎週指定する文献を事前に読み、その内容を理解すること。
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ジェントリフィケーションという現象についての既存の議論について理解できるようになること。そのうえで、既存の都市の変化について自分の観点で分析を行えるようになること
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ジェントリフィケーションという現象について説明できるようになること。
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【成績評価の基準表】
秀(S) | 優(A) | 良(B) | 可(C) | 不可(F) |
履修目標を越えたレベルを達成している | 履修目標を達成している | 履修目標と到達目標の間にあるレベルを達成している | 到達目標を達成している | 到達目標を達成できていない |
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履修目標:授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標
到達目標:授業において最低限学生が身につける内容を示す目標
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【授業別ルーブリック】
評価項目 | 評価基準 |
期待している以上である | 十分に満足できる(履修目標) | やや努力を要する | 努力を要する(到達目標) | 相当の努力を要する |
レポート作成力 | これまでの先行研究との差異を示し、自分の主張の独自性を示すことが出来る | 根拠を示して、自分の主張の正当性を示すことが出来る | | 自分の主張を論理だてて記述することが出来る | 到達目標に達していない |
討論力 | 自分の意見も述べながら、周囲の意見を引き出しつつ、議論の場をコーディネート出来る | 自ら積極的に自分の意見を述べることが出来る | | 話を振られたら自分の意見を述べることが出来る | 到達目標に達していない |
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毎回、文献を読んでもらい、それについての課題を提出してもらう。授業ではオンデマンドでその文献についての解説を行うと共に、提出された課題についてのレビューなどを行う。受講者は基本的に毎回課題を提出するという形式を想定している。課題は文献によって異なる場合があるが、基本的には①要約②勉強になった点③分からなかった点、批判したい点④自由に考察ということを毎回の文献について行うことを考えている。
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変容する都市のゆくえ
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三浦倫平・武岡暢
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文遊社
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2020
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文献(しかも英語)を読んでもらうことが多くなると思うので、意欲のある人の参加を期待します
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質問などがあれば、気軽に何でも積極的に聞いてください
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