タイトル
時間割コード:9103010 日本語シラバス 英語
現場から考える国際開発協力:JICA連携講座[Workshop on Developing World: Joint Program with JICA]
 
担当教員
小林 誉明[KOBAYASHI TAKAAKI]
開講学部等 全学教育/教養教育 対象年次 1〜 単位数 2 使用言語 日本語
開講時期 秋学期 開講曜限   クラス  
授業形態 併用(対面系) 授業形態(詳細) 授業方法 演習
特記事項  
ナンバリングコード GA.2711 実務経験のある教員による授業 該当する
授業の目的  
 国際開発協力は、援助する側とされる側、便益を受ける側と費用を負担する側など、立場によって異なる課題に直面し、異なる利害関係や認識をもった多様なステークホルダー達によって織りなされる営みである。よって、国際開発協力の事業を推進するには、自分とは異なる立場の「他者」が直面する制約条件や立場などを理解する力、想像する力が不可欠となる。こうした力は、国際開発協力の分野でキャリア形成をする諸氏のみならず、現代の世界を生きていく上で必要なリテラシーといえるであろう。本講座は、国際開発協力という事象を切り口として、多様な「当事者」の視点に立って縦横無尽に捉えることができる「複眼的な視点」を獲得することを目的とするものである。そのための仕掛けとして本講座は、一方的な講義ではなくワークショップの形式をとり、特定の「現場」において実際に発生している個別のケースを題材として、現場ではどのようなことが起こりうるのか、どこにボトルネックがあるのか、「現場から考える」シミュレーションを行う。
 具体的な「現場」としては、多様な開発課題を抱えた実在の開発途上国が設定される。参加者は、ケース国として設定された国や地域に携わるステークホルダーとして、それぞれの観点から開発課題に取り組み、外部のリソースを活用して国としてのソリューションを形成してゆく。本年度の舞台となる具体的な途上国の現場は、モザンビークである (なお、これまでは、ウガンダ、バングラデシュ、スリランカをフィールドとしてきた)。参加者各位には、現在のモザンビークが直面している実際の状況を直視した上で、モザンビークという国が抱えているであろう「課題」と「機会」とを見つけ出し、機会を活用しつつ課題を乗り越えるためのソリューションとなりえる具体的な「事業企画案(プロポーザル)」を作成するというお題にチャレンジしてもらう。作成された事業企画案は、実際の国際協力機構(JICA)モザンビーク事務所の職員らに査定され、評価、講評される。審査の結果、優れた事業企画案は、現実のODA事業案として本格検討される可能性もある。
 事業案は、現実にモザンビークにおいて重点課題となっている8つのセクター(教育、防災、保健、電力、都市交通、給水・衛生、産業振興、廃棄物)ごとに策定されることが求められる。セクターごとに数人のメンバーからなるグループを形成し、事業案作成に取り組むこととなる。参加者は自らの関心や専門性に沿って所属するグループを選択することができる。よって講座は、数人程度の小グループを最少単位としたグループワークを中心に展開されるが、他のグループとの情報共有やコラボレーションも推奨される。
 このように、本講座で行う演習は、開発途上国との開発協力事業を担うJICA職員の立場に立った(昨年度までは、開発途上国の政策立案者に扮した)ロールプレイという側面をもつが、実際の政策への打ち込みの可能性も伴うという意味で、極めて実践的な(本番に近い)演習となる。
 最終事業企画案の完成およびプレゼンテーションという最終成果に向けて、10月から数次の全体ワークショップ(土曜日(10月23のみは日曜日)の午後に開催)によって事業案作成に必要な知見やスキルのインプットを行ってゆくが、その後はグループ内およびグループ間でアイディアを練り、実現可能性をもった事業案として形づくってゆく。その過程で、教員やJICAスタッフ、学生メンタ等によるアドバイスやサポートもなされる。
 なお、本講座は、国際協力銀行(JBIC)および国際協力機構(JICA)において実務経験のある専任教員が、国際開発協力に関する実務経験を生かしつつ、JICAの全面的な支援によって実現する講座である。
 
授業計画
(項目説明)授業全体のスケジュールを示しています。学修計画を立てる際の参考にしてください。
 
スケジュールの流れは以下の通りですが、各回のワークショップの内容について若干の変更の可能性はあり。

講座への登録:9月中旬〜10月12日17時締め切り(受講可否の案内は10月14日17時までにメールで通知します)
*全ての履修希望者は、下記のJICAの応募フォームからの登録が必要になります。横浜国立大学以外の参加者も含めた選考があります。
*大学の履修登録締めきりよりも早いのでご注意ください。

JICAによる応募フォーム:
https://forms.office.com/r/z7AsU4z2hp
参考:JICAの応募サイト:
https://www.jica.go.jp/yokohama/topics/2022/220915.html


(講座開始より前に、今後読んでおくべき課題文献の一部が提示されます)

第1回ワークショップ:10月15日(土):対象国(モザンビーク)の課題を読み解く手法を学ぶ
於 横浜国立大学+オンライン
※グループ編成が発表され、チームビルディングが開始されます

第2回ワークショップ:10月23日(日):モザンビークの課題に対する解決ツールとリソースを検討するとともに事業計画のつくり方を修得する
於 JICA横浜センター+オンライン

第3回ワークショップ:10月29日(土):グループごとにツールとリソースのマッチング作業を進める
於 横浜国立大学+オンライン
※担当教員や学生メンタによるサポート、JICAモザンビーク事務所担当者等とのオンラインでの壁打ちなどが予定されています。

第4回ワークショップ:11月05日(土):事業計画の素案をプレゼンしてみんなで揉んでゆく①
於 横浜国立大学+オンライン
※担当教員や学生メンタによるサポート、JICAモザンビーク事務所担当者等とのオンラインでの壁打ちなどが予定されています。

第5回ワークショップ:11月12日(土):事業計画の素案をプレゼンしてみんなで揉んでゆく②
於 横浜国立大学+オンライン

第6回ワークショップ:11月19日(土):中間報告会
於 横浜国立大学+オンライン

11月26日: (グループ活動日:事業計画案を仕上げる)

第7回ワークショップ:12月10日(土):JICAへ向けての最終報告会+フィードバック
於 JICA横浜センター+オンライン

ピッチ(選抜グループのみ):12月中旬を予定
※最終報告会で選抜されたグループのみがJICAモザンビーク事務所内で実施される英語でのピッチ(事業計画計画のプレゼンテーション)に臨むことができます。12月15日(木)17時〜を現時点での仮の予定とするが、日程は選抜されるグループの数等によって変更される可能性があります。

第8回ワークショップ:12月17日(土) 全体振り返り
※全体での振り返りにあたって、事前に振り返りのレポート(フォーマットは後に指定)を提出していただきます。

★別途、参加者の要望等に応じて、自由参加のスピンオフ講座や交流会なども企画する予定。
 
授業時間外の学修内容
(項目説明)授業全体を通して授業前に予習すべき内容、授業後に復習すべき内容を示しています。単位は、授業時間前後の予習復習を含めて認定されます。
 
・本講座の参加者は、10月〜12月の土and/or 日曜日(計8回の予定)に開催される全てのワークショップへの参加が義務づけられる。ワークショップへの無断欠席やグループワークへの不参加などによって、講座への参加資格を失い、JICAからの修了証書が発行されなくなる。
・ワークショップとワークショップの合間の期間は、グループごとに独自の学習や準備を進めていくことが必須となっており、相当な時間を割くことが求められる。毎回のワークショップの前後で必要となる予習復習(事前準備や事後対応)のためには、実際のワークショップに参加している時間と同等程度の時間をかける必要があると考えられる。こうしたコミットができる学生のみの参加が求められる。
・オンライン講座受講に必要な回線、端末(ホワイトボードアプリなどを用いての作業を行う場面が多いため、PCもしくはタブレット端末が必須。スマホのみでの受講は原則不可)を準備できること。
 
履修目標
(項目説明)授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標です。より高度な内容は自主的な学修で身につけることを必要としています。
 
国際開発協力の現場で起こっている事象を、一元的な視点ではなく多角的な視点から捉えることができるようになり、国際開発協力のあり方をめぐって展開されているイシューに対して自ら判断を下すための軸をもつことができるようになる。
 
到達目標
(項目説明)授業を履修する人が最低限身につける内容を示す目標です。履修目標を達成するには、さらなる学修を必要としている段階です。
 
特定の国の開発課題およびODAの仕組みについて、最低限の知識を獲得する。加えて、国際開発協力の現場で起こっている事象を、(少なくともロールプレイで担当した)特定のセクターの視点から捉えることができるようになる。
 
成績評価の方法
(項目説明)成績評価の方法と評価の配分を示しています。
 
所属グループにおける政策案形成への貢献(60%)、全体会合への貢献(20%)、振り返りのレポート(20%)に基づいて評価する。
 
成績評価の基準 -ルーブリック-
(項目説明)授業別ルーブリックでは評価の項目と、成績評価の基準との関係性を確認できます。(表示されない場合もあります。)
 
【成績評価の基準表】
秀(S)優(A)良(B)可(C)不可(F)
履修目標を越えたレベルを達成している履修目標を達成している履修目標と到達目標の間にあるレベルを達成している到達目標を達成している到達目標を達成できていない
履修目標:授業で扱う内容(授業のねらい)を示す目標
到達目標:授業において最低限学生が身につける内容を示す目標
【授業別ルーブリック】
評価項目評価基準
期待している以上である十分に満足できる(履修目標)やや努力を要する努力を要する(到達目標)相当の努力を要する
個別学習プレゼンの内容が講座全体の進行に決定的な効果を及ぼす割り当てられたアサインメントの範囲を超えて質の高いプレゼンをする割り当てられたアサインメントに対して質の高いプレゼンをする割り当てられたアサインメントをこなす割り当てられたアサインメントを怠る
グループワークワークショップの合意形成に多大な貢献がなされたワークショップのプロセスで議論をリードできるワークショップのプロセスで積極的な役割を果たせるワークショップのプロセスに参画できるワークショップのプロセスに参画できていない
成果物実務で通用しうるレベルの提案がなされるスリランカのケースを超えたより普遍的な提案がなされるワークショップの成果を踏まえた上で、実践的な提案ができるワークショップの成果を踏まえた提案ができるワークショップの成果と無関係の提案がなされる
 
授業の方法
(項目説明)教員が授業をどのように進めるのか、課題提出などの情報もあわせて示しています。
 
・本講座は、一方的な講義ではなくワークショップの形式をとる。実在する特定の国をケース国とし、その抱える開発課題に、その当事者として、それぞれのセクターの観点から取り組み、各種のリソースを活用してソリューションを考案してゆくという、グループワークを中心としたものとなる。
・グループワークの実施に際しては、学生やOBのメンターがつき、必要に応じてアドバイスをもらえる。
・本講座はすべて、オンラインと対面とのハイブリッドにて実施する。ワークショップおよびグループワークにおけるコミュニケーションのツールとしてはZoom(オーラル)およびSlack(テキスト)、ブレインストーミングのツールとしてはMiro、文書管理のツールとしてはGoogleドライブ、その他を用いる。
 
教科書  
教科書1 ISBN 9784864294843
書名 開発援助がつくる社会生活 = Living With Aid : 現場からのプロジェクト診断
著者名 青山和佳, 受田宏之, 小林誉明 編著,初鹿野直美, 東方孝之, 宮地隆廣 著,青山, 和佳,受田, 宏之,小林, 誉明,初鹿野, 直美,東方, 孝之,宮地, 隆廣, 出版社 大学教育出版 出版年 2017
 
教科書補足  
ここに挙げた教科書は、複眼的な視点をもつことの重要性を提起した、講師らによる編著作である。講座のなかで直接的に使用するわけではないが、本講座で伝えたいエッセンスが詰まっているものなので、一度は手にとってみることをお薦めする。
 
参考書補足  
ワークショップのなかで必要に応じて、全員が共通で読むべき基本的な文献および関連文献を紹介する。
 
履修条件および関連科目
(項目説明)この授業を履修するにあたってあらかじめ履修が必要な授業,並行して履修することによって学修効果を高める授業などを示しています。
 
履修希望者は、10月12日までに、JICAの応募サイトより所定の申し込み手続にしたがって参加申し込みを行うこと。提出された応募書類を審査した上で、履修者の選抜を行う。(本学の履修登録システムからは登録できないので要注意。単位取得を必要としない聴講生の場合も同じ手続が必要)。

JICAによる応募フォーム:
https://forms.office.com/r/z7AsU4z2hp

参考:JICAの応募サイト:
https://www.jica.go.jp/yokohama/topics/2022/220915.html


 
キーワード  
ODA, 援助政策, 開発計画, 開発学, JICA, 開発課題, パートナーシップ
 
備考  
国際開発協力の現場の風にどっぷり浸かる密度の濃い時間を過ごせることを保証します。国際開発協力の世界に初めて足を踏み入れる学生も、すでに知識や経験を積み重ねた上級者のどちらも歓迎します。将来において海外での活躍を考えている諸氏の参加を待っています。本講座に関する問い合わせは、担当教員の小林誉明准教授(t-kobayashi@ynu.ac.jp)まで。
 
参照ホームページ  
https://www.jica.go.jp/yokohama/topics/2021/210915.html
 
↑ ページの先頭へ戻る